【IIJ mio データプラン ゼロ(eSIM)レビュー】eSIMで副回線を開通。デュアルシム運用でメイン携帯の超過分通信費を節約。
皆さん、こんにちは。ヨッシー(@papatoko1)です。
世界では少しずつ導入が進んでいる「eSIM」。
日本では「IIJ mio」が試験的に導入していた「eSIMプラン(ベータ版)」しか選択肢はありませんでした。
そしてとうとうIIJ mioがeSIMのサービスを正式サービス「データプラン ゼロ(eSIM)」として正式スタートさせました。
というわけで今日は「eSIM」について、解説、導入、運用の検証をしていきたいと思います。
公式サイトでIIJ mio データゼロプラン(eSIM)を申し込む方はこちらからeSIM・DS・DSDSについて
eSIM(イーシム)って何?
eSIM?何それ?
端末の中に始めから埋め込まれた、取り出せない「空のSIMカード」って考えてみて。
つまり、みなさんごよく目にする物理的なSIMカードではなくて、スマートフォンの中にもともと入っているチップに回線情報(プロファイル)を書き込むことで、通話回線やデータ回線を使えるようになるSIMです。
下の図が通常のSIMカード。
docomoとかでもらえるやつだ!
スマートフォンなどには上記のSIMカードのいずれかが使われており、だからこそ通話やデータ通信ができます。
ちなみにiPhoneは1番小さなnanoSIMが使われています。
一方、eSIMは目に見ることはできません。スマートフォンなどの中に組み込まれています。
その回線情報(プロファイル)を書き換えることで、様々な通信会社の回線を使えるようになります。
なお、現在、eSIMに対応している(=eSIMを内蔵している)iPhoneは以下の6種類です。
・iPhone 11 XR
・iPhone 11 XS
・iPhone 11 XS Max
DS(デュアルシム)って何?
先程までの情報をまとめると、iPhone 11 Proは通常のSIMカードとeSIMの2種類が使えるスマートフォンということです。
このように2種類のSIMカードを使って、一つの端末で2つの回線を使用できるシステムをDS(デュアルシム)といいます。
Android端末では以前よりDS端末が発売されており、遅れながらもiPhoneもXSからeSIMの採用でDS端末となりました。
基本的にiPhoneは物理SIMとeSIMの組み合わせですが、Androidでは物理SIMを2枚させるモデルも多くあります。
DSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ)って何?
では先程、説明したDS(デュアルシム)ですが、iPhoneではDSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ)の状態で運用することができます。
DSDSはどちらの回線に電話がかかってきても、端末が勝手に回線を切り替えてくれるので、ユーザーは何も意識せずに2回線を使えます。
…はぁ。
ちょっと難しいけど、今はDSDSの機種が増えているから、あまり気にしなくても大丈夫だよ。
eSIM契約の注意点
注意点① 正式サービスの選択肢はIIJ mioのデータプラン ゼロ(eSIM)のみ
国内でeSIMを開通しようとすると、現段階(2020年3月現在)で国内の正式サービスの選択肢はたった一つ!「IIJ mio」の「データプラン ゼロ(eSIM)」しかありません。もちろん三大キャリア(docomo/SoftBank/au)は対応していません。
IIJ mio日本でeSIMに対応した初めての通信会社で、ベータ版として試験運用期間を経て、この3月からスタートしたプランです。
IIJ mioは人気のMVNO(格安シム)です。
現状、通話回線はなく、データ回線のみのサービスとなっています。そのため電話番号をもう一つ持つことはできません。
そんなIIJ mioの「データプラン ゼロ(eSIM)」の特徴は導入のしやすさと、運用の幅にあります。
月額150円で維持することができ、追加データ量を1GB300円、2GB以降は1GB450円で追加することができます。
これは三大キャリア(docomo/SoftBank/au)の追加1GB1,000円と比較して非常にリーズナブルです。
・データ通信のみ(デザリング◯・インターネット◯・LINE△・電話×・SMS×)※LINEはSMS認証のため、SMS対応SIMとの併用がおすすめ
・月額150円(税抜き)
・追加データ量1GB:300円
・追加データ量2〜10GB(1GB毎に):450円
・初期費用3,000円(税抜き)
・SIMカード発行手数料200円(税抜き)
まったく使わない月は最低額の150円だけ支払えば良いのです。
eSIMプランはデータ通信のみなので、『主回線を音声回線として利用し、副回線(eSIMプラン)をデータ回線として利用する』ことになります。
これにより、通話回線は通話品質の良い三大キャリアのデータ量の抑えめ(=安い)プランが担い、超過分のデータ通信は低価格のMVNO(今回はIIJ mio)が担うという組み合わせで、スマートフォンのコストを抑えることができます。
公式サイトでIIJ mio データゼロプラン(eSIM)を申し込む方はこちらから注意点② eSIM対応の端末が必須
IIJ mioのデータゼロプラン(eSIM)を利用するためには、eSIMに対応した端末が不可欠です。
公式のHPに載せられている端末は以下のとおりです。
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro MAX
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone XR
- Google Pixel 4
- Google Pixel 4 XL
- Pad(第7世代)
- iPad mini(第5世代)
- iPad Air(第3世代)
- 11インチiPad Pro
- 12.9インチiPad Pro(第3世代)
- Surface Pro LTE Advanced
- Surface Pro X
- ASUS TransBook Mini T103HAF-LTE
- ASUS TransBook Mini T103HAF-GR079LTE
注意点③ iPhoneはSIMロック解除(シムフリー化)したものが必須
eSIMを開通する端末はSIMロックのかかっていないものでなければなりません。
シムフリー端末を購入するか、三大キャリアで購入したものならばSIMロック解除が必須です。
MVNOは三大キャリアの通信回線を借り受けているので、通常のSIMカードですとMVNOの元回線(docomo系・SoftBank系・au系)が一致すればSIMロックがかかっていても使えますが、eSIMは必ずシムフリー端末である必要があります。
今回の場合、IIJ mioのeSIMプランはdocomo系の通信回線です。docomoで購入した端末でもSIMロック解除が必要です。
<一括購入の場合>
購入後、すぐにSIMロック解除可能
<分割購入の場合>
以下の条件のいずれかに当てはまればSIMロック解除可能
①機種購入後100日経過(101日目)
②分割払金を清算(残価を一括で支払い)する
③契約回線に過去、SIMロック解除実績があり、そこから100日経過(101日目)
上記の条件は概ね共通する条件ですが、購入サポートなどの絡みで多少、違いがあるようなので、必ず事前に各キャリアに問い合わせてください。ネットで調べるなら、「〇〇(キャリア名) SIMロック解除 条件」で検索です。
僕の場合、iPhone 11 Proは分割払いで残価が残っていました。しかし、前に使っていたiPhone7のSIMロック解除の実績があり、100日経過していたので、購入後1ヶ月経っていませんでしたが解除できました。
注意点④ ベータ版との違い
ベータ版では以下のプラン展開でした。
6GB1,520円(税抜き)
大容量オプション20GB3,100円(税抜き)、30GB5,000円(税抜き)
→どちらも6GBに追加
しかし今回の正式サービスの開始に伴い、1GBあたり450円の量り売りのようなサービスになってきました。
これはサービスの狙いを「主回線のデータ通信を全て副回線に置き換えて使う」ことから「主回線で超過した分のデータ通信を安く補う」という戦略に変えたためと考えられます。
まったく利用しなかった月は最低額150円での維持が可能なので、便利に使えそうです。
公式サイトでIIJ mio データゼロプラン(eSIM)を申し込む方はこちらからIIJ mio 契約・開通・通信速度
契約・開通
申し込み・開通は非常に簡単です。eSImのメリットとしてオンラインでの手続きが済めば即日発行ですぐに使えるようになります。
開通には以下の3つを用意してください。
①クレジットカード
②キャリアメール以外のメールアドレス
③eSIMを導入したい端末以外のスマホ・タブレット・PCなど
③が必要なのはQRコードをカメラで読みとることでプロファイルをインストールするので、QRコードを表示する別の端末が必要となるためです。
僕はiPadで契約を進め、開通確認メールからiPad上にQRコード(アクティベーションコード)を表示。
それをiPhone 11 Proのカメラで読みとりました。
タブレットなどでIIJ mioのホームページからプラン選択・契約を進め、無事に契約すると、メールでアクテイベーション用のQRコードが送られてきます。
iPhoneを操作し、「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」を選ぶと、QRコード(アクティベーションコード)を読み込むためのカメラが起動します。
そのまま、別の端末(僕の場合はiPad)に表示されたQRコードを読み込むと…
電波マークの表示が変わり、2重表示になっていることがわかります。その他の設定も無事、適用されています。
コントロールセンターを見ると主回線と副回線の二つが表示されています。
これでeSIMにMVNOを開通することができました。
通信速度を検証
無事に開通したIIJ mioの回線ですが、その通信速度はどの程度なのでしょうか?
通信速度を測定するアプリで主回線(docomo)と比較してみましょう。SPEED CHECKというアプリを使って測定しました。
結果は下りスピードがIIJ mioは55Mbps、docomoは188Mbpsという結果でした。
この数値を見るともちろんdocomoには劣りますが、結構速度が出ているように思えました。
次に自宅で夕方17時に計測してみました。
結果は下りスピードがIIJ mioは2Mbps、docomoは195Mbpsという結果でした。
2Mbpsでは体感として、LINEやメールの送受信は問題なく、webサイトの閲覧は若干もたつきは感じますが、なんとか実用範囲内。動画の閲覧は難しいという印象です。
大手キャリアとは安定感に差があり、時間や場所などによって大きく影響を受けてしまいそうです。
ただ、副回線として超過分の容量を低価格で利用する目的なので僕としては充分、納得のできる範囲です。
どのキャリアも超過すると128kbpsになってしまうので、それより確実に良いです。
カスタマーサービスの質
格安シムを導入する際、気をつけなければならないのが、サポート体制の質の違いと言われています。
三大キャリアのような対応を期待するとトラブルになることも…
僕はまだベータ版だった時にIIJのカスタマーサービスに問い合わせをする機会がありましたが、問い合わせから約5時間、当日中にメールの折り返しがありました。
そして回答の内容も非常にユーザーに寄り添った丁寧な対応でした。
非常に好印象でした!
まとめ
今日は「【IIJ mio データプラン ゼロ(eSIM)レビュー】eSIMで副回線を開通。デュアルシム運用でメイン携帯の超過分通信費を節約。」について見てきました。
いままでベータ版として提供されていたIIJ mioのeSIMプランが、ついに正式なサービスとして販売が始まりました。
開通までも非常に簡単、即時発行で手続き後、すぐに利用を始められます。
主回線を三大キャリアで運用されている方が、副回線にIIJ mioを組み合わせることで超過分の通信コストの削減・節約が可能になります。
もちろん回線速度や安定感は三大キャリアには及びませんが、品質やコストのバランスをとった運用・維持が可能になるので、かなりおすすめです。
以上、ヨッシーでした。
公式サイトでIIJ mio データゼロプラン(eSIM)を申し込む方はこちらから