【IIJ mio eSIMプラン レビュー】iPhone 11 ProのeSIMにMVNO(格安SIM)副回線を開通。デュアルシム運用で通信費を節約。
みなさん、こんにちは。ヨッシーです。
先日、iPhone 11 Proが対応している「eSIM」を活用すべく「IIJ mio」の提供する「eSIMプラン(ベータ版)」を導入してみました。
というわけで今日は「eSIM」について、解説、導入、運用の検証をしていきたいと思います。
eSIM・DS・DSDSについて
eSIM(イーシム)って何?
eSIM?何それ?
端末の中に始めから埋め込まれた、取り出せない「空のSIMカード」って考えてみて。
つまり、みなさんごよく目にする物理的なSIMカードではなくて、スマートフォンの中にもともと入っているチップに回線情報(プロファイル)を書き込むことで、通話回線やデータ回線を使えるようになるSIMです。
下の図が通常のSIMカード。
docomoとかでもらえるやつだ!
スマートフォンなどには上記のSIMカードのいずれかが使われており、だからこそ通話やデータ通信ができます。
ちなみにiPhoneは1番小さなnanoSIMが使われています。
一方、eSIMは目に見ることはできません。スマートフォンなどの中に組み込まれています。
その回線情報(プロファイル)を書き換えることで、様々な通信会社の回線を使えるようになります。
なお、現在、eSIMに対応している(=eSIMを内蔵している)iPhoneは以下の6種類です。
・iPhone 11 XR
・iPhone 11 XS
・iPhone 11 XS Max
DS(デュアルシム)って何?
先程までの情報をまとめると、iPhone 11 Proは通常のSIMカードとeSIMの2種類が使えるスマートフォンということです。
このように2種類のSIMカードを使って、一つの端末で2つの回線を使用できるシステムをDS(デュアルシム)といいます。
Android端末では以前よりDS端末が発売されており、遅れながらもiPhoneもXSからeSIMの採用でDS端末となりました。
基本的にiPhoneは物理SIMとeSIMの組み合わせですが、Androidでは物理SIMを2枚させるモデルも多くあります。
DSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ)って何?
では先程、説明したDS(デュアルシム)ですが、iPhoneではDSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ)の状態で運用することができます。
DSDSはどちらの回線に電話がかかってきても、端末が勝手に回線を切り替えてくれるので、ユーザーは何も意識せずに2回線を使えます。
…はぁ。
ちょっと難しいけど、今はDSDSの機種が増えているから、あまり気にしなくても大丈夫だよ。
eSIM契約の注意点
注意点① 選択肢はIIJ mioのeSIMプラン(データ回線)のみ
国内でeSIMを開通しようとすると、現段階(2019年10月現在)で選択肢はたった一つ!「IIJ mio」の「eSIMプラン」しかありません。三大キャリア(docomo/SoftBank/au)は対応していません。
日本でeSIMに対応した初めての通信会社で、位置付けとしてもベータ版として試験段階にあるサービスです。
IIJ mioは人気のMVNO(格安シム)です。
現状、通話回線はなく、データ回線のみのサービスとなっています。そのため電話番号をもう一つ持つことはできません。
そんなIIJ mioの特徴はその安さ。eSIMプランもデータ量6GBで月額1,520円で運用することができます。これは三大キャリア(docomo/SoftBank/au)と比較して非常にリーズナブルです。最低利用期間は2ヶ月となります。
・データ通信のみ(デザリング◯・インターネット◯・LINE△・電話×・SMS×)※LINEはSMS認証のため、SMS対応SIMとの併用がおすすめ
・データ量6GBで1,520円(税抜き)
・大容量オプション20GBで3,100円・30GBで5,000円(どちらも税抜き)→月額料金プラン6GB(1,520円)に毎月、上記容量を追加
・初期費用3,000円(税抜き)
・SIMカード発行手数料200円(税抜き)
eSIMプランはデータ通信のみなので、『主回線を音声回線として利用し、副回線(eSIMプラン)をデータ回線として利用する』ことになります。
これにより、通話回線は通話品質の良い三大キャリアのデータ量の少ない(=安い)プランが担い、データ通信は低価格で大容量が使えるMVNO(今回はIIJ mio)が担うという組み合わせで、スマートフォンのコストを抑えることができます。
注意点② iPhoneはSIMロック解除(シムフリー化)したものが必須
eSIMを開通する端末はSIMロックのかかっていないものでなければなりません。
シムフリー端末を購入するか、三大キャリアで購入したものならばSIMロック解除が必須です。
MVNOは三大キャリアの通信回線を借り受けているので、通常のSIMカードですとMVNOの元回線(docomo系・SoftBank系・au系)が一致すればSIMロックがかかっていても使えますが、eSIMは必ずシムフリー端末である必要があります。
今回の場合、IIJ mioのeSIMプランはdocomo系の通信回線です。docomoで購入した端末でもSIMロック解除が必要です。
<一括購入の場合>
購入後、すぐにSIMロック解除可能
<分割購入の場合>
以下の条件のいずれかに当てはまればSIMロック解除可能
①機種購入後100日経過(101日目)
②分割払金を清算(残価を一括で支払い)する
③契約回線に過去、SIMロック解除実績があり、そこから100日経過(101日目)
上記の条件は概ね共通する条件ですが、購入サポートなどの絡みで多少、違いがあるようなので、必ず事前に各キャリアに問い合わせてください。ネットで調べるなら、「〇〇(キャリア名) SIMロック解除 条件」で検索です。
僕の場合、iPhone 11 Proは分割払いで残価が残っていました。しかし、前に使っていたiPhone7のSIMロック解除の実績があり、100日経過していたので、購入後1ヶ月経っていませんでしたが解除できました。
注意点③ ベータ版(試験運用)である
今回のeSIMプランは公式にも(ベータ版)と名前がついているように、試験運用の意味合いがあります。
IIJ mio側も「改善や問い合わせへの回答に時間がかかる場合があります」としています。
ベータ版のフィードバックをもとに正式版をリリース(時期未定)するそうです。
有償のサービスなので基本的には問題ないのですが、未知の不具合が全くないわけでもありません。
既に分かっている不具合は以下のリンクから確認できるので参考にしてください。
https://techlog.iij.ad.jp/archives/2607
僕は今のところ、問題なく使えています。
IIJ mio 「eSIMプラン」契約・開通・通信速度
契約・開通
では早速、申し込み・開通をしてみましょう。eSImのメリットとしてオンラインでの手続きが済めば即日発行ですぐに使えるようになります。
開通には以下の3つを用意してください。
①クレジットカード
②キャリアメール以外のメールアドレス
③eSIMを導入したい端末以外のスマホ・タブレット・PCなど
③が必要なのはQRコードをカメラで読みとることでプロファイルをインストールするため、QRコードを表示する別の端末が必要となるためです。
僕はiPadで契約を進め、開通確認メールからiPad上にQRコード(アクティベーションコード)を表示。
それをiPhone 11 Proのカメラで読みとりました。
タブレットなどでIIJ mioのホームページからプラン選択・契約を進め、無事に契約すると、メールでアクテイベーション用のQRコードが送られてきます。
iPhoneを操作し、「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」を選ぶと、QRコード(アクティベーションコード)を読み込むためのカメラが起動します。
そのまま、別の端末(僕の場合はiPad)に表示されたQRコードを読み込むと…
電波マークの表示が変わり、2重表示になっていることがわかります。その他の設定も無事、適用されています。
コントロールセンターを見ると主回線と副回線の二つが表示されています。
これでeSIMにMVNOを開通することができました。
通信速度を検証
無事に開通したIIJ mioのeSIMプランですが、その通信速度はどの程度なのでしょうか?
通信速度を測定するアプリで主回線(docomo)と比較してみましょう。
計測場所は地元のスーパー、日曜日の11時頃です。SPEED CHECKというアプリを使って測定しました。
結果は下りスピードがIIJ mioは55Mbps、docomoは188Mbpsという結果でした。
この数値を見るともちろんdocomoには劣りますが、結構速度が出ているように思えました。
次に自宅で夕方17時に計測してみました。
結果は下りスピードがIIJ mioは2Mbps、docomoは195Mbpsという結果でした。
ちなみに格安シムの中でも速度に定評のあるUQwimaxの回線では同条件で、50Mbpsでした。
2Mbpsでは体感として、LINEやメールの送受信は問題なく、webサイトの閲覧は若干もたつきは感じますが、なんとか実用範囲内。動画の閲覧は難しいという印象です。
大手キャリアとは安定感に差があり、時間や場所などによって大きく影響を受けてしまいそうです。
ただ、副回線として低価格で利用する目的なので僕としては充分、納得のできる範囲です。
カスタマーサービスの質
格安シムを導入する際、気をつけなければならないのが、サポート体制の質の違いと言われています。
三大キャリアのような対応を期待するとトラブルになることも…
ただ、今回、IIJのカスタマーサービスに問い合わせをする機会がありましたが、問い合わせから約5時間、当日中にメールの折り返しがありました。
そして回答の内容も非常にユーザーに寄り添った丁寧な対応でした。
非常に好印象でした!
格安SIMで節約できるのか
節約について、データ量7GBで考えてみました。
①docomo回線のみ
②docomo回線+IIJ mio eSIMプラン
③IIJ mio音声回線
①docomo回線のみで7GB
5分通話無料オプション700円+ギガライト(〜7GB)5,980円=6,680円(税込7,348円)
通話品質◎ 通信速度◎ シンプル度◎
②docomo回線1GB+IIJ mio eSIMプラン6GB=合計7GB
5分通話無料オプション700円+ギガライト(〜1GB)2,980円+1,520円=5,200円(税込5,720円)
通話品質◎ 通信速度△(◎1GB分利用可能) シンプル度◯
③IIJ mio音声回線のみ6GB→7GB換算
ライトスタートプラン2200円+通話定額オプション(誰とでも10分&家族と30分)830円=3,030円(税込3,333円)
※プラン選択上、6GBにしかないため架空の計算で1GBあたりの単価を計算すると、ライトスタートプラン7GBで2,567円→合計で税込3,736円
通話品質◯ 通信速度△ シンプル度△
※通話はプレフィックス回線なので品質は少し低下、プレフィックス番号(0037-691)をつけて発信するか、専用アプリからの発信が必要なためシンプル度△
プレフィックス回線とはプレフィックス番号をつけることでいつもと違う回線を経由するもので、少しだけ通話品質が下がるようです。
単純に料金だけでいうと①7,348円>②5,720円>③3,736円となります。
格安SIMのみの運用だと、通話品質やシンプルさなどでデメリットも多いです。比べてみると人によってベストな選択は変わると思います。自分にあった組み合わせを考えることが、大切ですね。
僕にとっては副回線eSIM作戦は品質と価格、使い勝手のバランスが良いので、実用性があります。
まとめ
今日は「【IIJ mio eSIMプラン(ベータ版)レビュー】iPhone 11 ProのeSIMにMVNO(格安SIM)副回線を開通。デュアルシム運用で通信費を節約。」について見てきました。
iPhoneに内蔵されたeSIMにワクワクの止まらないレビューでした。
開通までも非常に簡単、即時発行で手続き後、すぐに利用を始められます。
主回線に三大キャリアの低容量プラン、副回線にIIJ mioを組み合わせることで通信コストの削減・節約も可能になります。
もちろん回線速度や安定感は三大キャリアには及びませんが、品質やコストのバランスをとった運用・維持が可能になるので、かなりおすすめです。
以上、ヨッシーでした。